人生の折り返し地点を曲がってもなお、もがいている人が狭く小さい世界から語る物語

入り組んだ道


「試行錯誤」でWeb検索し、画像に絞って検索結果をスクロールしていると、気になるキーワードが目に留まりました。

「個別最適化 × UI, デザイン, グラフィック」

何かの講演会であろう、講演者の女性と上記のキーワードが書かれたスライドが投影されているステージの写真でした。

クリックして記事をみると、講演者は日本でも有名な女性の起業家。私も幾度となくお名前を拝見したことがありました。

今から10年前、2015年の講演です。

けれでも、その講演内容は、2025年現在、まさにデザインやビジネスで注目され、必要とされ、主流となっている思考:UI, UXについてでした。

ドキドキしながら読みすすめます。

(中略)

目的はユーザーを驚かせて、喜んでもらうこと
Delight

(中略)
ユーザーさんにデライトを届けるには、企画やアイデアをどのように表現するかが全てなんです。

それは例えばUI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)、あるいはグラフィックスそのものであったりします。そこをすごく強化したいというふうに思っているのはそのためです。

そのための、「個別最適化 × UI, デザイン, グラフィック」

傍からみるかぎり、あまりにもきらきらと輝いて見えます。聡明で、ユーモアがあって、先見の明があって。非の打ち所がない。
なんだか、ずっと春の芽生えが続いているような印象。

わくわくしてきます。きっと私も会場にいたら「そんな目標に取り組んでみたい!」と意気揚々とした気分になっているのではないでしょうか。

そして続きます。

(中略)

でも一番幸せなときは、私はこの真ん中のときですね。この試行錯誤してる「ああ、これはだめだな」「これは失敗した」とか、あるいは「あ、ちょっとこれはいけそうじゃない?」とか、そうやって試行錯誤しているとき。

(中略)

それは人生、卒業して、社会人になっても同じだけど、その道はものすごく入り組んでたり、ときどきつらいけれども、この道をぜひ楽しんでほしいなというふうに思います。

「アイデアを試行錯誤してるときが一番幸せ」DeNA南場氏が美大生に贈るキャリア講座 2015.08.14

「入り組んだ道」なら、わたしもお手の物。だと思っていました。
何度も挫折しているし、落ち込むことも多々。でも、なんとかここまで生きている。

でもでも??なんだか違う。だいぶ違う。
講演者の語る入り組んだ道とわたしのそれが。

もやもやが晴れません。

あぁ、もしかしたら。。

作りてと使い手
提供者と消費者
主体的と受容的

この差なのかも。わたしは、完全に後者の立場でいることが多い。

上記の講演会の記事を読んだ同じ日に、不登校の息子のゲーム依存に悩む母親のSNS投稿を目にしました。
はじめは、部屋にこもってゲームしかしていないことを心配して、時間制限を設けていたようですが、親子の関係はギクシャクして。
今は、時間制限は設けずに息子のゲームの時間を自分も楽しめるように、前向きに向き合っている。
そんな内容でした。

「入り組んだ道」を懸命にどうにかしようと取り組んでいらっしゃることが伝わってきます。

私の経験してきた「入り組んだ道」もそうですが、
誰かが創造・提供したモノ・サービスに対して生じた”不具合”への対処は、先の講演者のきらきらしたそれとはちがっています。

入り組んだ道を乗り越えて創造されたモノが、意図せずに、
誰かの、今度はきらきらとはしていない「入り組んだ道」をうむきっかけにもなってしまう。

なんだか、切ないなぁと思いました。


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